天才策士は一途な愛に跪く。
物凄いスピードで晶の乗った水上バイクを目掛けて青いボートが加速を上げて
突っ込んでいく。
なんだ・・!?
あのボート・・。
一体何を考えてるんだ!?
瑠維の目には信じられないような光景が映し出されていた。
「くそっ!!晶たちが危ない・・・!!!」
眉間に深い皺が刻まれて、サングラスが反射で照り輝く。
瑠維は急いでバイクを反転すると両手のハンドルでスピードを上げた。
「・・・っ、何だ!!何でこっちに向かってくるんだ!!!」
「どうしたんですか!?」
操縦しているインストラクターの焦った声に私は驚いてしがみついたまま前へと
横からひょいと顔を乗り出した。
さっきは一旦、停泊してたはずの青色のボートは何故かこちらに向かって
水飛沫を上げて走っていた。
「このままじゃぶつかります!!急速旋回になるので掴まってください!!」
「・・はいっ!!」
青ざめた私は、急いで別な方向へとハンドルを切るインストラクターの腰に
しっかりしがみ付いた。
けたたましいモーター音が耳に煩い。
焦った様子のインストラクターと、振り返ると瑠維がこちらへと速度を上げて
向かってきていた。
方向を変えたのに、何故か青い船は同じように進度を変えてこちらへと
距離を縮めてくる。
「何なんだよ・・!!あの船、おかしい!何処までも着いてくる気なのか・・・。」
その言葉に私はビクリと身体が震えた。
「・・・そんな。何で!?」
「とりあえず、僕たちが乗ってきたボートの方まで
戻ります!!
・・このままじゃ危ない。
いいですか、このまましっかり掴まってて下さいね!!」
「はい、解りました!!」
青いボートを見ると、Uターンした私たちに続き再び方向を変えようとしていた。
昨日の背中に感じた両手の感触が、自分の背中に感覚として蘇る。
これ・・・。
狙われているの??
しかも、多分ターゲットは・・私!?
なんで・・!?
一体何が起きてるの!!?