天才策士は一途な愛に跪く。
「晶、おはよう。」

朝、目覚めるとダイニングにはアメリカンブレックファーストのメニューが
並べられていた。

「おはよう、山科くん。」

出勤自宅を終えて、席に着くと執事が各自のテーブルに熱々のスープを運んでくる。

「美味しい!!このミネストローネ最高だよ。」

元気な声を上げて喜んでると、聖人が新聞から顔を上げてクスクス笑う。

「おかわりもあるから、どうぞ。もう査読まで4日しかないな。ちゃんと寝れてる?」

「うん、お陰様で。昨日も夜食まで出していただいて・・。太っちゃうよ。」

私は、手元にあったふかふかのクロワッサンを幸せそうに頬張った。

「そうか、安心した。うちの新規事業の立ち上げパーティは明後日だし、その準備と
重なって大変だろ?
必要であれば、人員をそちらに割くようにするから遠慮しないでね。」

「有難いわ。パーティは、研究職よりも企画部や、宣伝部の方々が動いてくださってるし。
お陰様で、負担はそこまでないよ。」

「そうか・・。楽しみにしてるよ。洋服はクローゼットに数点出してもらってるから
好きなのを選んでね。」

「いいよ、適当なスーツで!!
ただでさえ、ここのクローゼットの洋服はハイブランドばかりで・・。
いつも汚さないように気を使うもの。」

「そう?綺麗に着飾った晶を、僕は一番楽しみにしてるんだけどな。」


  ・・・ブハッ。

飲み干そうとしていたスープを吹き出しそうになる。

無自覚なのかな・・。

すごく聞いていて顔から火が出そうなセリフのオンパレード
なんだけど・・。

「あの・・。山科君。わたし。。」

「そうそう、聖人でいいから。2人の時はそう呼んでね、晶。」

爽やかな笑顔でほほ笑まれて、私は困ったように頷いた。

社長に聖人って呼び捨てに出来る・・!?

もう、朝から心臓に悪いんだけど!!


「おはようございます!!」

研究棟に上がり、同じチームメンバーに挨拶をして座る。

「チーフ、明後日のパーティの件で企画部の沢木さんが打ち合わせをしたいそう
です。実験データの入力等は私達がやっておきますから、実験を終えたらすぐに
企画部までお願いします!!」

明日奈が、今日も可愛らしいピンクのブラウスに白いふわりと流れるシフォンスカート
姿で私を見上げた。

「午前中に、新しい機器を使用してデータを取り始めるから・・。
そうだな、昼過ぎに伺いますって伝えてもらっても良いかしら。」

笑顔で彼女をデスクごしに見上げた瞬間、斜め横の端のデスクのアオイと目が合った。

昨日のことなどなかったように、意味深に爽やかな笑顔を私に向ける。

最近可笑しくない・・!?

恋愛事をスルーしてきたツケか、恋愛ハプニングだらけだよ!!
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