うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「きゃっ」

「危ない!」

後ろに倒れる! そう思ったんだけど、伸びてきた彼の逞しい腕が私の身体をしっかりと支えてくれて転倒を免れた。

「大丈夫か?」

「はい、すみませっ……」

咄嗟に首を後ろに向けた瞬間、至近距離で彼と目が合い声を失う。

私の腹部には彼の腕がしっかりと回されていて、完全に彼に体重を預けている。

背中越しに副社長のぬくもりを感じ、胸が苦しい。

お互い見つめ合ったまま数秒、微動だにできなくなる。けれどすぐに我に返り同時にふたりして勢いよく離れた。

「……悪い」

「いいえそんな。……すみませんでした」

離れた今も副社長のぬくもりが残っていて、恥ずかしくて彼をまともに見られない。でもそれは副社長も同じ。

副社長は弟みたいなんかじゃない。……大人の男性なんだ。だって私のことを軽々と受け止められちゃうんだから。

当たり前なことなのに急激に意識してしまい、顔が熱い。
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