うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
嘘でしょ、どうしてここに堀内さんが?

まさか会社の人間と出くわすとは夢にも思わず、テンパる。

「どうかした?」

「あ、いえその……」

私の異変に気づいた副社長に声を掛けられても、視線は堀内さんを捕らえたまま。

こんなに人がたくさんいるし、見つかるわけないと思うけれど……なんせ一緒にいるのは副社長だ。身長が高くて見た目もいい彼はなにかと目立つ。

ここにいたらバレるのも時間の問題かもしれない。だったらこの場から早く離れないと。

「すみません、副社長。少々走ってください」

「走る?」

小首を傾げる彼に説明している間に気づかれたら大変だ。無我夢中で彼の手を取り、走り出した。

「あ、おいどうした!?」

「すみません、説明は後でしますので」

とにかく今は早くこの場から立ち去らないと。その一心で出口を出た。

うん、ここまで来ればもう見つかることはないよね。堀内さんたち、まだ帰る雰囲気ではなかったし。
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