うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「すまなかった、誰に見られるかわからない駐車場を待ち合わせ場所にしてしまい」

「あ、いいえ。それに誰もいませんでしたから大丈夫です」

交際を秘密にして欲しいとの願いを、彼は忠実に守ってくれている。

「それに気づかずに待たせてしまい悪かった。……ありがとう、電話が終わるまで待っていてくれて」

ちょうど信号は赤信号になり、彼は私を見ながら優しい笑みを零す。

運転席と助手席という至近距離で見せられた笑みに、やっぱり私の心臓は暴れ出し、「いいえ……」と言うだけで精いっぱいだった。

それから社長が予約してくれていた料亭に着くと、美味しそうな料理が次々と運ばれてきた。

会うのは二週間ぶり。お互いの仕事のことなどを中心に話をしていると、その席で彼から思いがけない話が飛び出した。

「実は来週からひとり暮らしを始めるんだ」

「え……ひとり暮らし、ですか?」

「あぁ」

突然の話にびっくり。じゃあもしかしてここ最近、副社長が忙しかったのは引っ越しの準備を進めていたからなのかな。
< 128 / 330 >

この作品をシェア

pagetop