うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
グルグルとそんなことを考えていると、口を結んだ私を不思議に思った副社長に声を掛けられた。

「どうかした?」

「あ、いいえ」

ハッとし、再び箸を進める。すると副社長は私の様子を窺いながら、どこか落ち着かない様子で話し始めた。

「それともうひとつ、ひとり暮らしを始めようと思った理由があって……」

「え、もうひとつ……ですか?」

再び箸を止めて首を傾げると、彼は頬を赤らめた。

「初めてふたりで出かけた時にキミが言っていただろ? ……俺との交際を会社では秘密にしてほしいと。なら人目を気にして外出するより、家でゆっくり映画を見たり、食事をした方がもっとお互いのことを知ることができると思ったんだ」

嘘……そんなことまで考えてくれていたの?

思いがけないもうひとつの理由に、伝染するかのように私まで赤面してしまう。

お互い照れ臭くなる中、副社長はポケットから鍵を取り出した。

「キミなら、いつでも来てくれるといい」

テーブルの上に置かれた鍵をまじまじと眺めてしまう。

「合鍵、キミに持っていてほしいんだ」

「副社長……」
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