うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
そんな私の思いとは裏腹に、社長は予想外のことをお願いしてきた。

「廉二郎が体調を崩して早退したんだ」

「――え、副社長がですか?」

驚き声を上げると、社長は大きく頷いた。

「あぁ、ついさっきだ。……井上くん、どうか様子を見に行ってくれないだろうか」

やっぱり副社長、体調崩していたんだ。早退するほどだもの、よほど悪いに違いない。心配だけどでも……。

「すみません、今日はこの後、予定がございまして……」

本当はそんな予定などないけれど、副社長に家には来ないでほしいと言われた手前、行けるわけがない。

断ったものの社長は引き下がらなかった。

「そこをなんとかお願いできないだろうか。少しの時間でもいいから見に行ってほしい」

懇願すると、戸惑う私に社長は続ける。

「本当は私が行きたいところだが、廉二郎になにがあってもひとりで頑張りたいから、手出ししないでほしいと言われていてね。……それに私が行くより、キミに来てもらった方が廉二郎も嬉しいだろう」

「社長……」
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