うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
ずっと具合が悪そうだった。それが心配で気になって仕方なかった。だから一目でもいいから顔を見たい。

大きく胸を高鳴らせながら、思い切ってインターホンを押した。押したけど……ど、どうしよう。副社長ドアを開けてくれるよね?

自分で押したくせにあたふたしていると、ガチャッとドアが開いた。

姿を見せたのは、Tシャツにハーフパンツとラフなスタイルの副社長。けれど熱があるのか、顔が赤い。

「あっ……あの」

声を絞り出すも、言葉が続かない。なんて言えばいいんだろう。

すると副社長は顔を伏せ私を家に招き入れることなく、冷めた声で言った。

「帰ってほしい」

目も合わせてくれず放たれた一言にショックを受ける。

やっぱり副社長は家に来てほしくなかったんだ。――そう、だよね、実際にメッセージで言われたじゃない。

けれど本人の口から言われると余計にショックが大きい。泣きそうになり、すぐにこの場を立ち去ろうとしたけれど、副社長は無理しているのか、ドアにもたれかかり、立っているのがやっと。足元を見ると少し震えている。
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