うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
だってどう伝えればいいの? もうわからない。

その後、副社長はなにもなかったように接してくれたけれど、私は彼のそんな姿を見てますます胸を痛めるばかりだった。



「それじゃまた」

「……はい、送ってくださり、ありがとうございました」

言葉を交わすと、彼が運転する車は去っていった。けれどなかなか家に入ることができない。

「なにやっているんだろう、私……」

静かな夜の空気と混ざって消えていく自分の声。

告白するつもりで彼の家に行ったのに、告白どころか傷つけて気遣わせて……。ダメダメすぎる。

トボトボと重い足取りで家に入ると、そこには隼人の姿があった。

「隼人、来てたの?」

バッグをソファに起きながら尋ねると、どこか彼はソワソワしている。

「あぁ、姉ちゃんが今日彼氏と会うって聞いて、もしかしたら会えるかもしれないって思って来たんだけど……もしかして帰っちゃった?」

「……うん」
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