うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「でもびっくりしてしまいました。ちょうど病院に着いたら、社長は苦しまれていたので」

「あ、あぁ……そうだよな。俺も父さんが突然苦しみ出して気が動転して……。ちょうどタイミングよく日葵が来てくれて助かった」

私の話を聞き、彼はどこか安心しているようにも見える。

「ますます俺が頑張らないと」

「そう、ですね……」

返事をしながら胸が痛くなる。廉二郎さんは社長が倒れてから、私の前で弱音を吐かない。現に今だって……。

社長に漏らした言葉が本音なんですよね? 本当は今、すごく辛い立場に立たれているんですよね?

どうして私にはそのことを話してくれないのだろう。

私の前では強がっているのが見て取れて苦しくなる。……でも、彼を苦しませているのは私のせい――。

自宅前に着き、私はすぐにシートベルを外して車から降りた。
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