うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
信じられず尋ねると、廉二郎さんは眉尻を下げた。

「嘘なわけないだろ?」

「じゃあどうやって会社を……?」

そうだよ、援助なしに経営を立て直すことは、至難の業だったはず。それなのに……。

目を白黒させる私に、廉二郎さんは一歩、また一歩と近づいてきた。

「それはさっきも言ったが、父さんと共に必死に駆けずり回ったから。頭を下げて回って援助を受け、……新製品を開発し。この一年どれほど大変だったか……。でもそれもすべて、日葵にプロポーズするためだった」

私の前で立ち止まると、廉二郎さんはポケットから指輪のケースの中から指輪を取り、私の左手をそっと取る。

「会社を立て直さないことには、日葵にプロポーズする資格がないと思った。どんな思いで日葵が俺に別れを切り出したのか、痛いほど理解していたから。……だから俺には引き留める資格はないと思ったんだ。日葵、あの時は俺に会社を支える力がないばかりに辛い決断をさせてしまい、悪かった」

「廉二郎さん……」
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