[完] 空に希望を乗せて [長編]

大会前

「いよいよ明日から郡市大会が始まります。明日で引退にならないよう頑張りましょう。」
先輩たちの顔がふっと曇る。やっぱり「最後かも」って思ったら緊張するよね…。
「お弁当とか忘れないようにね!」
あ、そうだ。中三の最後の大会の2日目、お弁当忘れたんだ…。自分でも衝撃をうけたし、周りの人にも爆笑されてしまった。なんでこんなにドジなんだろう。絶対忘れないようにしなきゃ。
「いよいよ明日、先輩たち大会やね…」
「うわー!引退して欲しくないわぁ」
「それな!」
やっぱりみんな同じ気持ちなんだ。練習をみていても、クオリティの高さに惚れ惚れしてしまう。同じ高校生とは全く思えない。かっこいい先輩方。あーあ。あのかっこいい姿も見れないんだ…絶対県大会までいってほしい。
「先輩たちかっこいいよねー」
「うんうん!」
希美先輩、千春先輩、聖那先輩、藍先輩、夢乃先輩、留奈先輩…。どの先輩もかっこよくて…。
今大会はシングルスが、希美先輩、留奈先輩。ダブルスが聖那先輩&藍先輩ペア、夢乃先輩&留奈先輩ペア。団体はその6人とすず先輩、奏先輩、夕花先輩、依先輩の10人だ。最近知ったのだが、今回出場しない恵梨香先輩は、友梨香の姉らしい。
「本当に明日なんだね。」
「応援、頑張ろ。」
「うん。」
夕日が、私たちの思いを乗せて、大きな影を作っていた
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