甘い恋愛を、君と。
「え、なんで…」
「まだわかんねえの?どうせ、俺がなんで怒ったのかもわかってないんだろ?」
「え…うーん…まあ、分かってないけど…」
「お前ほんとにぶいな。あのなあ、俺は天野が恋をしてる“レイ”に嫉妬してたんだよ」
「は、シット?」
「前に一回だけ怒ったことあったよな。あのときもどうせなんで怒ったか分かってないんだろうから言うけどな」
「え、」
「天野に友達としてしか見られてないってことが、ショックだったんだよ」
「え、ちょ、待って」
「大学生との恋に反対してたわけじゃない。ただ、天野に恋をして欲しくなかった」
零に嫉妬していたこと、怒った理由、そして、キスの意味。
相澤の、見たことがないような熱っぽい視線。甘い雰囲気。
そのすべてを頭の中でつなげて必死に考えると、考えもしなかったひとつの“ありもしない答え”が浮かんだ。
「え、それってまるで相澤がわたしのこと、好き、みたいじゃ」
「そうだよ」
「、」
「好きだよ、天野。ずっと好きだった」
相澤はそう言うと、今にも泣きだしそうな顔で笑った。それは、わたしが相澤と仲直りした日に見たあの笑顔だった。綺麗な顔を苦しげにゆがませた笑顔。
相澤に、こんなに甘く優しい声で名前を呼ばれるのは初めてだった。