甘い恋愛を、君と。
「友達なんて思ったこと、一回もなかった」
「え、だって、そんな」
これまでの相澤との会話を思い出す。
相澤と喧嘩した時に言った“大切な友達”という言葉や、零の話をしたこと。
相澤はこれまで、わたしの言葉をどういう気持ちで聞いていたんだろう。わたしは一体どれほど相澤のことを傷つけてきたのだろう。
「ごめ、相澤、ごめん」
「天野、泣くなよ。俺、お前を泣かせるために言ったんじゃないんだよ」
「で、でも、」
「それに、昨日の飲み会で、天野がどれだけ俺のこと大切に思ってるか分かったし。俺、天野の恋愛応援してるから」
相澤はそう言うと、打って変わって優しい表情でわたしの涙を拭った。
「天野、お前もっと自信持て」
「え、」
「お前は人の気持ちを理解できる優しい奴だし、何より俺がこんなに人を好きになったのは、初めてだったんだよ」
「あいざわ…」
「大学生との恋愛に劣等感を感じる必要なんてない。自信もって、自分に正直に恋していいんだよ」
「あ、ありがとう…」
「お前、泣きすぎだぞ…仕事戻ったら会社の人に怪しまれるぞ。ほら、そろそろ朝礼始まる」
「う、うん…トイレで顔洗ってくる。相澤、ほんとにごめん。ありがとう」
「いってらー」
相澤はそう言って、また悲しそうな顔で笑った。その笑顔を見て、キリキリと胸が痛む。その気持ちを振り払うようにして、わたしは女子トイレへ駆け込んだ。