狐とご主人様
「そこの奴隷何見てるのかしら?」
偉そうな少女の声が後ろから聞こえた


振り向くと不思議な服を着た自分より少し上であろう少女と燕尾服を着た男が立っていた彼女はじっと僕をみている


だが過去のトラウマからそういう偉そうな人間に対する恐怖心しかない僕はさっと目を背けた


「いい度胸ねぇこの私を無視するなんて」
そう彼女が言った一瞬あと背中をムチで奴隷商に叩かれた、

「お客様に不快な思いをさせるんじゃねぇ!」

痛みが染み入り思わず叫んでしまった


「いい声で鳴くじゃないそれに私を見て目を背けるなんて調教のしがいありそうねぇ」


そして暫く考える素振りを見せたあと
「そうねぇあなたに決めたわ」


「フィルルカ様はお目が高い!こいつは狐人でして..」
奴隷商とながながと話したあと


彼女は僕を買った


「奴隷、これからあなたは私のものよ」


私のもの、俺のもの、これらは彼にとっては絶望の言葉であった


他の奴隷とつながっている鎖が外され
手網のついているくつわを付けられた


そしてその少女に手網を引かれ
引きずられるように歩き始めた


もう諦めよう...


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