秘密の恋は1年後
「おかわり」
「……はい」
再び彼女がカレーをひと掬いして差し出す。
俺は、それから何度かまひるの瞳を見つめながら口を開けた。
ゆっくりと食事を済ませる頃には、十四時前になっていた。
洗い物は食洗機に任せ、スーパーで買ってきたチョコミントのカップアイスクリームを冷凍庫から出して、ソファに彼女を呼び寄せた。
「ごちそうさん」
「こちらこそ、食べていただけて嬉しかったです」
「また作ってよ。お前が食事を用意してくれてるなら、こっちに帰ってきたくなる」
思っていることをすんなり言葉にしたら、彼女はまた俺を凝視して息をのんだような顔をした。
「どうした?」
「……本当に、そう思ってくれているのかなって」
ことごとく、俺の気持ちを信じてくれていないようだ。
突然のことではあったし、俺だってひと目惚れの恋を実らせたばかりで、どうしたら上手くやっていけるか模索中だから、彼女が多少の不安を抱えるのも当然だろうな。