秘密の恋は1年後
ほどなくして自宅前に着き、シートベルトを外した。
デートの帰りはこんな気分になるのかと、ほんの少し実感がわく。
もう少しだけ一緒にいたいけれど、なんて言って引き留めたらいいのかもわからず、なんとも言い難い間が空いた。
それに引き留めたりなんてしたら、きっと彼は私の自宅に泊まっていくと言いかねない。
「最後にひとつ、聞いてもいいか?」
「はい」
送ってもらったお礼を言って、車を下りようと思ったのに、彼が先に口を割った。
だけど、すぐに話し出さず、右側の運転席からじっと見つめてくるばかり。
「尚斗さん?」
「……いや、やっぱりいい。戸締りはしっかりしろよ。それから、早く風呂に入って寝なさい」
「はい……ありがとうございます」
父親のような言い草の彼は、不意に整った顔を眼前に寄せ、キスをしてきた。