秘密の恋は1年後

「男除けだ」
「えっ!?」

 ……男除け?
 私にそんな必要があるとは思えないのに、彼はきょとんとしている私にもう一度キスをする。
 今度は、さっきよりも長く、しっとりとした感触で、思わず目を閉じた。

 まだ一緒にいたいと思っていたぶん、余計に気持ちが昂る。
 このまま車に乗って話しているだけでいいから、あと少しだけ……。


「――よし、早く帰れ」

 唐突に唇を離した彼が腰を捻り、後部座席に載せていた私のバッグと荷物を取っている。
 そして、押し付けるように渡すと、帰宅を急かす彼はドアロックを解錠した。


「あ、ありがとうございました」

 車を降りた私に、彼はウィンドウ越しに小さく手を振ってから、躊躇なく車を走らせる。

 キスをしてから車を降りるまでがなんだかあっという間で、しばらくマンションの前で立ちつくし、彼の車が走っていった方向を見つめた。

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