秘密の恋は1年後
【お疲れ様です。お昼、エレベーターで会えて嬉しかったです。今日はまだお仕事ですよね? あまり遅くならないといいのですが……。今夜もご飯を食べて、ゆっくり休んでください】
食事を適当に済ませがちな彼のことだ。
仕事が遅くなれば、出前の時間も終わっているだろう。外食で時間を割くくらいなら、自宅でゆっくりしてほしいと思う。
代々木にある兄夫婦の自宅に、食事目当てで立ち寄ってしまうのも分からなくはないけれど、結局のところ、自分が昨日から同棲をしていたらよかったのかもしれないと思えてきた。
メッセージを送って二分と経たずに、既読を示すマークが付いた。
なにか送り返してくれるのかと、変化のない画面とにらめっこするけれど特になにもない。
気づけば、自宅の最寄駅に到着していて、慌てて立ち上がり、下車する乗客の波に揉まれた。
自宅に着いてからも特に返事はなく、食事を済ませ、寝支度を整えても音沙汰はない。
忙しくしているんだろうと思えていた時間は過ぎ、あと一時間もすれば日付が変わる。
睡魔に襲われ、携帯を手にしたまま、自然とまぶたが落ちていった。