秘密の恋は1年後
注文した食事が届き、互いにしばし無言になった。
愛斗さんは厨房から出てきたシェフと近況を話している。私たちの他にも、六組ほどランチをしているお客がいるけれど、賑やかすぎない店内は居心地がいい。
「私、実はずっと好きだったんです。弟さんのことが」
「いつから?」
「入社した時からです」
「……三年くらい? 長いねぇ」
「だから、ちょっとびっくりしてはいるんです」
「そう。でも、それだけで暗くなる?」
いつしか愛斗さんも淡々とした口調になっていて、それもまた尚斗さんを重ねずにはいられない。
「……私、自分に自信がなくて。どうしても弟さんに見合うような女性には程遠いなぁって……頑張るしかないんですけどね!」
心の声をそのまま話していたら、愛斗さんがフォークを持つ手を止めたので、慌てて明るく取り繕う。