秘密の恋は1年後
「……すごくいい感じ」
「本当ですか!?」
「うん、お前にぴったり」
私も自分の鼻先に近づけて香りを確かめる。
清潔感のあるロマンチックな香りが女性らしい。これが似合うと思ってくれたのが嬉しいなぁ。
「きゃっ!!」
突然引っ張られ、勢いそのままに彼に抱きついてしまった。
「つかまえた」
膝の上に私を乗せた彼が、腰に両腕を回している。下りようとすると腕の力を強められ、より密着してしまって恥ずかしくなった。
彼がつけてくれた香水がほのかに漂ってきて、ドキドキする胸の奥をきゅんと締め付けてくる。
「尚斗さん、どうしたんですか!?」
「ん? かわいがりたくなっただけ」
いつもの彼からは想像できない甘さに、一瞬にして頬が火照ってきた。
「香水、気に入ってくれた?」
「はい」
「そうか」
満足そうに微笑んだ彼は、私の唇に指先で触れてから、そっとキスをしてくれた。