秘密の恋は1年後

 無言でTシャツを脱ぎ捨てた彼は、凹凸が逞しく綺麗な上半身を露わにする。
 目の置き場に困り視線を泳がせ、心臓が飛び出そうなほど緊張している私をよそに、彼は覆い被さってきた。


「俺といて、幸せ?」

 囁く彼の声が甘くて、眩暈がしそう。
 ゆっくりと彼と視線を交わしたら、暖色の照明の下で鋭く光る瞳に、また鼓動が鳴る。


「言わなくちゃダメですか?」
「当然。もれなく俺が喜んで、お前をとびきり愛したくなる答えしか受け付けないけど」

 普段は見せない、とろけそうなほどに優しい微笑みに心が絆されそうだ。


「……幸せです。尚斗さんのこと、昨日よりも大好きです」

 髪をそっと撫でてくれた彼は、唇や頬、首筋にキスを落とし、耳介に舌を這わせて濡れた吐息を漏らす。
 つられた私も、甘ったるい声を出してしまい、両手で口を覆い隠した。


「今夜まで我慢させられた分、たっぷりかわいがってあげる」

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