秘密の恋は1年後
指を絡めて繋がれた手が、シーツに縫い止めるように押さえつけられた。
どんどん熱を帯びていく身体をじっくりと見下ろされるのが恥ずかしくて、思わず彼とは逆の方へ背ける。
「隠すの禁止な?」
ことごとく尚斗さんの誘導に負け、指先ひとつで彼に向き直ってしまう。
もうなにをされても、きっと好きで好きでたまらないんだろうな。
こんなにも私を甘やかして、困らせて、振り回しては楽しそうにする意地悪な彼のとりこになってしまったのだから――。
どれくらい時間が経ったのかわからないけれど、先に何度か果てさせられて息を乱す私に、彼が沈み込み深く入ってきた。
初めてを経験した日よりもスムーズだけど、身体の奥が満たされていく感覚にはまだ慣れなくて、思わず尚斗さんに向かって両腕を伸ばす。
「尚斗さん……」
「ん? 抱っこする?」
優しく微笑んだ彼は軽々と私を抱き起こし、繋がったまま対面に座った。
広くて逞しい肩にぎゅっと抱きつくと、いつの間にか彼にも移ったらしい香水の匂いがする。
甘く繊細で、苦悶にも似た表情を浮かべる彼と幸せな揺らぎを感じながら、一緒に快感の大波にさらわれた。