秘密の恋は1年後

「たぶん、尚斗が話すことはないだろうから教えるけど、前に仕事が忙しすぎて浮気されたことがあるんだ」
「えっ、そうなんですか!?」

 あんなに素敵な人を裏切るなんて考えられないことだ。私だったら、追いかけ回してでも別れたくないと、しがみついてしまうに違いないのに。


「それで、麻生さんを連れてきて以来、尚斗と話したりして気づいたことがあってね」

 一体なにを聞かされるのだろう。
 彼の過去の恋愛遍歴が気にならないと言ったら嘘になるけれど、変えられない時間に妬くことはなかった。そもそも、私が彼の恋人になったことで頭も心もいっぱいなので、それどころじゃなかったのもあるけれど。

 固唾をのんで愛斗さんを見つめていたら、懐かしむように窓の向こうへ視線を投げた。

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