秘密の恋は1年後
きっと悪気はなかったんだと思う。
ただ、私を構いたかっただけなのだとしたら、少し言い過ぎたかもしれないなぁ。
「……時々だったら、いいですよ」
すると、彼が私の額にキスをひとつ落とした。
「いいよ。もう無理は言わない」
尚斗さんはそう言うけれど、なんだか残念そうだ。まるで、お気に入りのおもちゃが壊れてしまった子供みたいにしゅんとしていて、かわいそうになるほど。
その間も、横たわっている私を案ずるような眼差しで見つめたり、私の髪を撫でて具合を伺ったり、タワーファンの風を調整したりと尽くしてくれた。
「まひる」
「なんですか?」
乾いてきた私の前髪を撫でながら、彼がおもむろに口を開く。
「やっぱりさっきのナシにして」
「ふふっ、わかりました。いたずらは程々にしてくださいね」
「わかってるって」
少し経って体調が戻ってきた頃、素直に気持ちをぶつけてきた彼の甘いおねだりは、きっとこれからも許してしまいそうだ。