秘密の恋は1年後

 夕方に変更した外出先から、直帰した。
 日が沈んでも暑さは変わらず、湿気を帯びた風が身体にまとわりついてべたつく。
 帰ったらすぐにお風呂に入って、それから夕食の支度に取りかかろう。


 目標を立ててから、時間を見つけては新しい料理に挑戦してきた。
 尚斗さんが美味しいと言ってくれたレシピはノートに書き留めて、だんだんレパートリーも増えてきている。


「おかえりなさいませ」
「こんばんは」

 マンションに着くとコンシェルジュが出迎えてくれた。エレベーターに乗る前にポストを確認すると、夕刊、投函が許されている宅配関係のチラシ、彼宛ての葉書が届いている。

 誰からなのかとなにげなく葉書を返したら、タキシード姿の男性とウェディングドレス姿の女性が腕を組んで写っていた。


「……誰?」

 木々が風に吹かれたようなざわつく音で、胸の奥がうるさい。
 知りたくないのに、輝きを放つ写真の女性と目が合ってしまった。

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