秘密の恋は1年後

【元気ですか? 相変わらず仕事で忙しくしてますか? しばらく会ってないけど、きっと尚斗は今でも素敵なんだろうなぁ。私はあれから色々あったけど、無事に幸せを掴みました。また機会があれば会いましょう!】

 細字の油性ペンで添えられていたメッセージは一度では頭に入らず、二度三度と読み直す。

 しばらく会っていない彼に、どうしてこんな葉書を送ってきたのだろう。
 あれからって、いつの話?

 止まない胸騒ぎの原因に気づいていても、見て見ぬふりをする。


 足早にロビーを通りぬけて、エレベーターに乗り、五階で降りて慌ただしく玄関に入った。

 パンプスを脱いで、きちんとシューズクロークにしまい、スリッパを履いてリビングに入る。
 ダイニングチェアに通勤バッグを置いて、持ってきた郵便物はリビングのローテーブルに。エアコンを付けて室温を下げ、シーリングファンのスイッチも入れた。

 いつもと変わらぬ導線で動けば、部屋に落ちているなにげない幸せな毎日をこの手にかき集めているようだった。

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