秘密の恋は1年後
「……俺以外の男とも、あんな顔して話すのか?」
「え?」
あまりに唐突で聞き返す。
しかも、あんな顔とはどんな顔なのか……。
少し苛立った声色とともに向き直った彼は、なんだかふくれっ面だ。それでも、彼が何を言いたいのかさっぱり分からず、小首を傾げて彼に問う。
「……あぁ、もう! なんで分かんないかな」
「分かりませんよ、言ってくれないと」
「だから、俺以外の男とも楽しそうにニコニコして話してるのかって」
「いつも通りですよ。それに、今朝のことだとしたら、先輩と話しただけで……」
どうやら、今朝エレベーターで男性の先輩と少し話したのが気に入らないようだ。
でも、仕事をするのに必要なコミュニケーションだったはず。
「尚斗さんは、どうしてそんなに怒っているんですか?」
「怒ってない。ただ、他の男と俺がいる前で話すなって言ってんの。俺の女なら当たり前のことだろ」
彼はそう言い捨てて、携帯と葉書を持って書斎に入ってしまった。