秘密の恋は1年後

 尚斗さんに相談してよかった。
 先輩の意見や人事部としての見解も、尚斗さんの答えに近しいものがある。
 だけど、私がいつか先輩の立場になって意見を交わす時が来ると思ったら、今のうちから考え方を決めておきたかったし、今回だってもう一度話し合うことに意義があると背中を押してもらえた。

 決めるのは、社員本人。でも、できる限りのサポートをしてあげるのが人事の役割。
 今は、うちの会社の悪いところばかり探してしまうのだろうけど、もう一度話してから、本当に最良の選択を導き出す力になってあげたいと思った。


 二十二時には、お互い寝支度を済ませた。
 今日は尚斗さんのリクエストで一緒にお風呂に入らなくてはならず、心臓が痛いほどにドキドキしてたまらなかったけれど、お湯に浸かってもまだ考えている私を察して、仕事と私生活を甘いキスで切り離してくれた。


 二十三時過ぎ。
 盆休みは、揃って週末から取っている。
 明日もまだ会社があるので早々に眠ろうとしたら、一杯だけ寝酒に付き合ってほしいと引き留められた。

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