秘密の恋は1年後

「ハッピーバースデー、トゥーユー……」

 歌いだした彼の甘い歌声に、ハッとする。

 今日は私の誕生日だ。そして、日付が変わった瞬間に祝ってくれた彼の気遣いに、心から感動した。


「おめでとう、まひる」
「ありがとうございます」

 彼の歌声が止まり、潤ませていた瞳を隠すことなく見上げると、世界一優しい微笑みが待っていた。


「いつも美味しい食事をありがとう。仕事も頑張ってくれて、助かってるよ。それから、こんな俺を選んでくれたことも感謝してる」
「……尚斗さん」
「普段は絶対に言わないから、今日くらいはな」

 耳を真っ赤にしながら、心のうちを言葉にしてくれた彼は、最高の彼氏だ。
 そして、そんな彼がいる会社に勤めていることに、運命すら感じてしまいそう。

 出会うべくして出会ったのだとしたら、どんな未来が待っているのだろう。

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