秘密の恋は1年後
想像して、思わずムッとしてしまうと、テーブルを挟んで座る彼はそれを見て小さく笑った。
「今度はなんだ?」
「……なんでもないです」
「どうせ、あのエロい小説を読んで鍛えた逞しい想像力で、あることないこと妄想して妬いたんだろ?」
うっ……図星。
エロい小説と一括りにされるのは納得がいかないけれど、今はそれどころじゃない。
どうしてこうも、尚斗さんは私の頭の中や心の中を時々見透かすんだろう。
今度は私が彼をじっと見つめ、やっと運ばれてきたバーガーにかぶりつくのを眺めた。
唇についた半熟玉子の卵黄を、舌先で舐めとる様子にドキッとさせられる。
「俺を〝おかず〟にするのは、家にいる時と夜の時間だけにしなさい」
「そ、そんなこと考えてもないですっ」
動揺する私を見て、彼がふふっと笑う。
「すっごく真っ赤」
「気のせいじゃないですか?」
妬かされたり、意地悪を言われたり、完璧に彼のペース。
でも、私がどんなにムッとしても微笑んでいてくれた尚斗さんの、心の余裕に改めて触れて、またきゅんとしてしまったのも事実だった。