秘密の恋は1年後

 バーガーショップを出て、数多くの店が並ぶアウトレットを歩く。
 週末で混み合っているひとつの街のような景観は、飽きることはない。


「尚斗さん、見たいところはありますか?」
「……お前に付き合うけど」

 話しかけた勢いでさりげなく腕を絡めてみた。
 一瞬間が空いたので、彼の横顔を左側から見上げてみると、ほんの少し耳が赤い気がする。

 強気だし、意地悪で俺様だけど、照れ屋さんな彼がかわいいと思う。
 私が男性店員に話しかけられて、おすすめされた靴を見ようとすると、腕を引っ張って強引に店を出てしまったり、私以上に彼の方がヤキモチ焼きだ。

 私も、人一倍モテる恋人を持ってしまったのだから、尚斗さんが他の女性に言い寄られるくらいは覚悟しないと。
 それに、さっきは冷静を欠いていて理解が浅かったけれど、声をかけられてもきちんと断っていると宣言してくれたと感じ、一層彼への信頼が強くなった。

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