秘密の恋は1年後

「どこか他の店を見てきたら?」
「じゃあ、隣の雑貨店にいます」
「ん、あとで行く」

 きっと気を使ってくれたんだろうな。振り回してばかりじゃなく、そういう優しさがあるのも彼のいいところだ。 


 二十分ほどで、尚斗さんが迎えに来てくれた。
 その間、会社で使うメモパッドや付箋、かわいらしいペンとタンブラーなどを買っていたので、あっという間だった。


「このペン、使いますか?」
「使いません」
「えー? かわいいじゃないですか、アルパくんみたいで」

 ペンの頭にアルパカのマスコットが乗っているそれを、袋から出して見せたら笑われてしまった。


「またお揃いにしようって言うんだろ?」
「違いますよ、一本しか買ってません」
「そうか。じゃあ、井浦社長とお前がお揃いになるな」
「……えっ!?」

 井浦社長と、お揃い? あの、井浦社長にこんなかわいい趣味が?
 思いがけない話にきょとんとしていると、彼が笑って手を引いて歩きだした。

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