秘密の恋は1年後

 午後になり、西日がブラインドを照らす。
 空調の効いた社内で業務を進めていると、先輩からメールが送られてきているのに気付いた。


【麻生さん、お疲れ様。今日の件、先ほどご本人から連絡をいただき、もう少し頑張ってみるとのいいお返事をいただきました。麻生さんも担当ではないとはいえ、人事の仕事に興味を持って、経験を積もうとしている姿が彼に印象深く映ったとも仰ってましたよ――】

 私は、なにもしていないのに。
 そんなふうに言ってもらえるなんて思ってもみなかった。

 誰かの心になにかを残せるなら、私が働いている意味もあるのだろうと気づかされたのは、私の方だ。



 今日もほぼ定時で部を後にした。
 偶然、姉の美桜が上階から乗ってきていたので、一緒に階下へ降りていく。

 エントランス階に着いて、駅まで一緒に帰ろうとしていたら、外出先から戻ってきた様子の尚斗さんが社屋に入ってきた。

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