秘密の恋は1年後

「妹さんも、お疲れ様です」
「お、お疲れ様ですっ」

 一瞬だけ、ふっと意地悪な眼差しを向けられたようで、さらに鼓動が大きくなった。


「……あれ? 社長のモバイルカバー、妹のと同じですね」
「っ!! あ、あのね、美桜ちゃん」
「そうなんです。色違いでして。よくお気づきになりましたね」

 偶然同じものを使っていると言い訳しようとしたら、社長が含みのある言い方をしたせいで、姉が冷静な瞳で私と尚斗さんを交互に見つめた。


「社長が仰ったのは、妹と同じものにしたという意味に受け取れるのですが、合っていますか?」
「ええ。いずれお姉さんにもお話しなくてはと思っていましたが、実は五月から妹さんと交際しております」

 こんなところで、打ち明けなくっていいのに!
 周りを行き交う社員の目を気にする私は、きょろきょろと落ち着かない視線を配り、心底驚いている姉の反応も気がかりで、ふたりの間で右往左往してしまう。

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