秘密の恋は1年後

「こんばんは。麻生と申します」
「千堂さんとは懇意にさせていただいている葛城と申します。お邪魔してすみません」

 二次元レベルの整った顔立ちに、ニットとデニムというカジュアルな服装で、私に会釈した長身は尚斗さんにも引けを取らない。
 いったい誰なのかわからないまま、座敷に上がって尚斗さんの隣に座った。


「よろしければ、名刺を」
「ありがとうございます。すみません、社に名刺を置いてきてしまいまして、ご挨拶ができないのですが」
「大丈夫ですよ。千堂さんの大切な方とお聞きしていますから」

 尚斗さんの友達というには他人行儀な感じがすると思っていたけれど、もらった名刺を見て再び驚いてしまった。
 葛城さんは、ブルーメゾンの社長でこのビルのオーナーだったのだ。

 そういえば、前に尚斗さんが知り合いだと話してくれたっけ……。

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