秘密の恋は1年後
「葛城さんとは、俺が前職の頃、経営者の会合でお会いしてからの付き合いなんだよ」
尚斗さんの紹介でさらに緊張していると、またしてもドアがノックされた。
「お邪魔します」
「どうぞ」
今度は誰だろうと思ったら、私を案内してくれた立花さんだ。
まさかとは思ったけれど、彼は草履を脱いで座敷に上がった。
以前聞いた話では、立花さんも経営者だったはず。錚々たる面々が一堂に会すなんて、想定外だ。
「今日は、まひるに大切な方たちを紹介しようと思ったんだ。おふたりにも、私の彼女を紹介したいので、お時間を頂戴しました。……改めまして、私の婚約者の麻生まひるさんです」
「やっぱりそうだったんですね? 前にいらした時は社員さんだとしかご紹介いただけませんでしたが、特別な方なのではと思っていたんですよ」
尚斗さんが今日の趣旨を打ち明けると、立花さんが続いて話す。
葛城さんはにこやかに聞いているけれど、なにを考えているのか読めない微笑みがミステリアスだ。