秘密の恋は1年後
重厚な木目の自動ドアの奥にあったのは、想像をはるかに超えるハイグレードな生活だった。
常駐しているコンシェルジュは重い荷物があれば運んでくれるようで、ちょうど帰宅した住人のスーツケースを手にしている。
艶々に磨かれた大理石の床、緑鮮やかな観葉植物、一脚が高そうなソファセットに控えめながらも輝くモダンな照明……。ホテルライクな内装とサービスに立ち尽くしてしまった。
「行くよ」
コンシェルジュと話していた千堂社長が、戻ってくるなり私の手をとって歩き出した。
「っ!?」
静かなロビーに私のヒールの音が響く。
彼に着いていく間、驚きを隠せず、何度も何度も隣を歩く彼を見上げた。