秘密の恋は1年後
「葛城さん、素敵だもんなぁ」
「ドキドキなんて、してないですっ……。やっ、あ……」
舌先が頂点に触れて、甘ったるい声を出してしまい、慌てて右手で口を覆う。
確かに、見たこともないほど整った顔立ちでスタイルも良いし、口調も穏やかで、素敵な男性なのは認める。
だけど、ドキドキしたのは初対面で緊張していたからで、特別な感情はなかったのに。
「私、嬉しかったですよ? 尚斗さんの周りにいる大切な方々に、きちんと紹介してもらえて」
「……ふーん」
Yシャツを脱ぎ捨て、私を見下ろしている彼はまだ不機嫌なようだ。
「どうしてそんなに怒ってるんですか? 私は尚斗さんが大好きなのに」
それに尽きるのだ。
彼が大好きだから、こうして機嫌の悪さをぶつけられても、少しも嫌じゃない。
妬いてくれる彼も、ちょっと身勝手なところも、彼をつくるすべてが好きなのだ。