秘密の恋は1年後

「だから、お前が決めていいし、俺に合わせるって言うなら、俺が決める。ただ、俺と付き合ってるのが原因で、選択肢を失くすようなことはしたくないから、キャリアを積んでいくか、寿退社するかはお前が選んで」
「……はい」

 仕事と両立していけるのかな。
 結婚した後も働くとなったら、周りは社長の妻として私を見るに違いない。それが、周りにとって迷惑にならないなら、働き続けたいと思うけれど、受け入れてもらえるだろうか。

 ストレートな言葉こそないものの、軽井沢に行ってからというもの結婚を仄めかされると、まだまだ追いついていない自分に気づかされる。
 そして、彼の奥さんに少しでもふさわしくなれるように、努力をもっとしなくちゃって……。


「悩まなくていい。でも、幸せになるために考えてみて。……な?」

 黙り込んだ私の心中を察した彼は、やわやわと私の髪を撫でた。

< 316 / 346 >

この作品をシェア

pagetop