秘密の恋は1年後

「なにかお手伝いします」
「大丈夫ですよ。ソファにお座りになってゆっくりしてください。すぐに尚斗さんも戻ってくるはずですので」

 ふんわりとした微笑みが返され、同じ女性の私でさえ癒されてしまった。
 社長は、結衣さんみたいな癒し系の女性が好きなのかなぁ……。なんて、考えるだけ無駄だ。だって、彼はもう未来を決めているんだもの。


「結衣ちゃん、昨日リクエストしたの作ってくれた?」
「もちろんです。いつもより多めに作りましたよ」

 スーツジャケットを脱いで、Yシャツ姿になった彼が戻ってきた。

 いいなぁ。社長から食べたいものを言われるなんて、私にとっては理想的な光景だ。
 仕事から帰ってくる彼を待つ間、好きなものを作って待っていられるのがどれだけ幸せなのか、考えれば考えるほど羨ましさが込み上げてくる。

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