秘密の恋は1年後
「乾杯」
「いただきます」
グラスを持たされ、乾杯をした。
結衣さんは毎日こんな男前と暮らしていて、ドキドキしないのだろうか。
もし私が社長と暮らすなんてことになったら、心臓がいくつあっても足りないはず。
美人は三日で飽きると昔から言われているけれど、美男子は飽きることなんてない。現に、ひと目惚れから始まった片想いが三年も続いているのがその証拠だ。
「麻生さんは人事部にいるって、尚斗から聞きました」
「そうなんです。配属されて二年半くらいなんですけど」
社長が私の話をしていたなんて、ちょっとびっくりだ。この前、一度来ただけなのに……。
「真面目に頑張ってる社員さんだって、ベタ褒めしてましたよ。まだあまり話せてないけど、すごく気になってるから連れてきたって、この前麻生さんを見送ってから話してて……」
「えっ? あのっ」
愛斗さんがしれっと打ち明け話をしてきたから、驚きのあまり大きな声が出てしまった。