秘密の恋は1年後

「そういえば、今日もマンションの前にあの子がいたよ。前に来た時は、結衣ちゃんにも出てきてもらって諦めるように言ったけど」
「結衣に!?」

 社長がなにげなく話すと、愛斗さんはとても驚いた様子で食事の手を止めた。
 いったいなんのことを話しているのか分からず、私は彼らのやりとりを見ながら食事をいただく。

 それにしても、本当にどれも美味しい。いつか習いたいくらいの腕前だ。


「ごめんな、結衣。面倒かけた」
「気にしないでください。でも、諦めていただけないと、あの方にもよくないことだと思うので」

 部外者の私が聞いていていいのかな。
 隣に座っている社長の視線を感じ、ふと交じらせる。


「ごめんね、いきなり話し込んじゃって」
「いえ、お気になさらず」
「でも、前に麻生さんが見かけた時のことだよ」

 まさかあの夜のことを話していたとは思いもせず、目を丸くした。

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