秘密の恋は1年後
「お聞かせできるようなことはないですよ」
「……では、この前お邪魔した時に、愛斗さんが六十点って仰っていたのはどういう意味なんですか?」
出迎えに点数を付けるなんて聞いたことがないし、その割に点数が低いというか……。
「聞こえてたんですか!? どうしましょう」
「参ったなぁ」
一気に頬を赤く染めた結衣さんと、照れ笑いをする愛斗さんが見つめ合う。
「あれは、結婚する前から続いてる儀式みたいなもんだよ」
「あっ、お前言うなよ!」
事情を知っていた社長が横から口を割った。
「出迎えのキスがあれば、もれなく百点。まったくいつまで新婚気分なんだか」
愛斗さんはムッとしつつも照れ笑いを崩さず、結衣さんは恥ずかしくなったのか、キッチンに逃げ込むように缶ビールを取りに行ってしまった。