秘密の恋は1年後

「麻生さんのご飯、食べてみたいな」

 さらに鼓動が跳ね上がり、視線までが固まる。
 だけど、彼は私の気持ちを惑わせるように、ふっと外した。


「……ダメ?」

 甘えた声で問いかけた彼は、左側に座る私を流し見て、小さく首を振って申し出を受け入れた私の髪をそっと撫でた。


「どうせなら、一緒に暮らしてみよっか?」
「……そ、それはどういう」
「同棲しようよ、俺たち」

 日焼けしたように熱を持った頬が痛い。
 心臓もキュンとしたまま戻ってくれず、甘い痛みで痺れている。

 愛斗さんと結衣さんは、温かい目を向けるだけでなにも言わない。
 社長の暴走を止められるのはふたりしかいないのに!


「兄貴たちよりも仲のいい恋人同士になれると思うんだ」
「こ、恋人……?」

 えっ……私、今……告白されてる!?

 動揺を隠しきれず、梅酒ソーダのグラスを倒しそうになってしまい、心の中で落ち着けと自分に言い聞かせる。

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