秘密の恋は1年後

「嫌?」
「いえ、あの……」

 どうしたらいいの!?
 社長のことは好きだから、断るのも本意じゃないし、夫婦の前で振ったら気まずくなりそうだ。
 でも、まさかこんな話をされるなんて思いもしなかったし……。


「尚斗、あまり彼女を困らせてもかわいそうだよ」

 食事の手を止め、しばらく考え込んでいた私を見かねたのか、愛斗さんが間に入ってくれて助かった。

 やっぱり冗談だよね?
 別に返事をしなくてもいいなら、このまま流してしまいたい。

 だって、彼と一緒に暮らすなんて生きた心地がしないだろうし、想像しただけで緊張してくる。

 社長が私と付き合いたいと思うはずがないと思うのに、彼は至って真面目な様子だ。


「返事、あとでもらうからね」

 再び箸を持った私に、彼は念を押してから、愛斗さんと話しだしてしまった。

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