秘密の恋は1年後
――翌日。
三年の片想いが思いがけず成就した昨夜が、現実とは感じられないまま目が覚めた。あくびをしてベッドから上体を起こし、ぼんやりと思い返す。
そういえば、一緒に暮らすと返事はしたけれど、肝心の気持ちは伝えられずじまいだ。
機会を逸してしまったし、なんだか言い出しにくくなっちゃったなぁ。
ひとまず、顔を洗ってスキンケアを済ませ、出かける支度をしよう。九時過ぎには出社しなくてはいけない。
頬にえくぼがあって、まつ毛がちょっと長い、ごく普通の私の顔が洗面室の鏡に映る。
だけど、昨夜ご馳走になった結衣さんの食事が栄養満点で美味しかったからか、明らかに肌艶がいい。
基本的に自炊が多いけれど、ひとりの食卓は味気なく、とても楽しく過ごせたから心も満たされたのだろう。
それに……社長にもあんなことを言われたりしたからかもしれない。
恋の影響力の大きさを、身をもって感じながらメイクを仕上げた。