秘密の恋は1年後
「どうしてそんなに俺のこと見るの?」
彼は目を細めてクスッと笑った。
ずっとドキドキしている私の胸の内に、少しも気づかないのかな。
座卓に頬杖をついて、じっと見つめられると言葉を失ってしまうほどなのに。
どうにも返せずにいると、彼はメニューに視線を滑らせる。
「長い付き合いになるだろうから、いいことを教えてあげるよ。……こういう時は、俺といて楽しいからだって答えるんだよ。そうしたら、もれなく俺が喜ぶから。いい? 覚えておきなさい」
座卓を挟んで向けられる、色っぽくて強さのあるまなざしに、心臓が鷲掴みにされた。
彼が望む答えは、相変わらずストレート。好きだと伝えるタイミングはまだ探しているけれど、それなら言える気がする。
「……はい」
「ん、いいお返事。よくできました」
にこっと微笑む彼に、心臓が大きく跳ねる。
やっぱり予備の心臓がないと、彼と過ごす間生きた心地はしないと思う。