秘密の恋は1年後

「確認なんですけど、昨夜のことって、本当なのでしょうか?」

 なにげなく聞くと、彼は少しだけ眉間に皺を浮かべた。
 初めて見たその表情は、私が見てきた千堂社長とはかけ離れている。


「俺に、微塵も惹かれていない女と付き合えって言うの?」
「だ、だって!」
「なんだよ」

 らしくない口調の彼に驚かされた。

 ……ううん、そうじゃない。
 今、目の前にいる彼こそが、本当の千堂社長なのかもしれない。


「どうして私なんですか? なんで私のことを」
「好きになったのに理由なんて必要? 俺、本気で告白したんだけど」
「必要です! だって、社長が私を選ぶなんて考えたこともないんですから」

 散々、そうだったらいいと想像だけはしたことがあるけれど。

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