秘密の恋は1年後

「まひる」
「っ、はい!?」

 顔を跳ね上げ、向かいにいる彼と見合わせる。
 彼は形のいい指で野菜スティックの胡瓜をつまんでいて、味噌マヨネーズをつけて美味しそうにかじっていた。


「……それとも、まひるちゃんの方がいいか?」
「社長のお好きな方で構いません」

 私も大根をつまんで、同じようにひと口かじる。
 名前で呼ばれると、心がムズムズしてくすぐったい。


「まひる、かわいい。好きだよ」
「そ、そういうことを、食事中に言わないでくださいっ!!」
「どうして? 大切な彼女がかわいくてたまらないんだから、言ったっていいじゃん」

 優しい微笑みを向ける彼は、特別なことをしたつもりはないようだ。
 だけど、私は、所構わずストレートな感情を言葉にされて面食らう。

 彼はつまんでいた胡瓜を食べきり、茄子と青じそのナムルに箸を付けた。

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